シルビア・ナカッチについて その1

ヨガ・オブ・ボイスは
シルビア・ナカッチが生み出したものである。

ヨガの一つなのか?というより、ボイスの方が重要に思う。

スタートが、基本が、ヨガにあったというものではなく、
彼女のスタートは、ボイス(音楽)のほうである。

声のアートを高めていく
と言うプロセスにおいて培ってきた経験が
ヨガと繋がっていったのであろう。

もともと歌手であり、アーティストであるシルビア、
彼女の家族も音楽的なベースを持つ一家だったようだ。

子どもの頃から、
音楽の学びを積んできているようだが、
それは主には西洋的な音楽教育。

また、その頃に
心理療法も学んだらしく、
音楽療法士としても
仕事をしていたらしい。
(シルビアが音楽療法士をしていたなんて、想像がつかない:笑)

しかしやがて、そのシルビアに
変革の時がおとずれる。

1980年代は、
さまざまな分野で意識の変革が見られた時代

ニューエイジ運動、ポストモダニズムの台頭、
環境問題に対する意識の高まりなどなど

そんな時代の動きの中で、シルビア自身の意識も
大きく変化して行く。

「多くの音楽とヒーリングの原点は
古代の文化から来ているものだということです。
そして、インドやアマゾンに通いました。」
by シルビア

彼女は、これまでの西洋的な音楽の世界から
あらたな枠組みを広げ、深めるために、
インドやアマゾンへと足を踏みれて行く。

アマゾンで何週間も
現地の人たちと過ごした経験もあるらしい。

彼女のワークの中では、
インドやアマゾンのシャーマニックな歌が多く紹介されるのは、
このときの出会いの中で取り入れてきたものなのであろう。

そして、また、シルビアは
「インドとアマゾン、私にとっては、この2つの場所は1つの場所なんです。」

「いかに音楽が私たちの元型となっているか、
また、私たち人間が創られている基礎となっているかがわかります」

とも言っている。

このインドやアマゾンでの体験は
シルビア自身を”音楽の本質”へと近づけ
まさにその
「本質からの音」を伝えていくきっかけだったのだろう。

そして、1982年からは、
北インド古典音楽の巨匠の一人である
アリ・アクバル・カーン氏のもとで学びはじめる。

氏は2009年に亡くなっているが
今でもシルビアは永遠の師として、彼を大切にしている。

西洋的音楽理論や学びのベースを持ちながら、古来からの音の叡智をとりいれ
さらに、彼女独自の感性が加わり
ヨガ・オブ・ボイスはできたのだと思う。

音楽的な素養(才能)を持って生まれ
独自の世界観があり、
人を魅了する音楽を提供している。

そして、またそれはシルビアにしか出来ないものを提供している

また、すばらしい先生なのだけれど、
万人に向けての教科書はない。

というか、本に書いたでしょ!といわれるが
その本は誰でもが、簡単には理解できない。

でもまあとにかく、やっていれば
書いてあることはある程度わかってくるけれど
一人で本を読んでワークするのはむずかしい。

先生としてすばらしいのは、
一人ひとりを知ることができると
彼女の感性を通して独自のアドバイスをしてくれる。
それによって、その人は変容が可能になる。

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この記事を書いた人

飛南 吏玲(森すみれ)
(表現セラピスト/VoxMundiSchool認定ヨガ・オブ・ボイスティーチャー)
阪神淡路大震災後のボランティアをきっかけにアートセラピーに取り組み、1997年より子どもや大人の自由創作スペース「ミューズハウス」をスタート。2006年にアーツ・コミュニケーション・ラボを設立。心理学、アーツセラピーに関する研究を続けながら、講座を展開して、アーツセラピーの普及にも力を注ぐ。また、2015年、声を自由にし、声を通して自分の本質へと導くヨガ・オブ・ボイス(アメリカVox Mudi School)の日本人ではじめてティーチャーのサーティフィケートを取得。
現在は、神戸を拠点に講座やワークショップ、オンラインクラスのほか、宿泊型の自然のと触れ合うアートリトリートを開催。シャーマニックな場、要素を大切にして、アーツセラピー 、ヨガ・オブ・ボイスを提供している。
薬剤師としての経歴もあり「Art as Medicine」薬の代替としてのアートこそ、これからの時代は必要だと考えている。
その他、2012年からは毎年、Touch Artsプロジェクトの代表として、ボランティアベースで、「大人も子どもも自由にアートで表現できる場」としてのイベントを開催し続けている。

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